住職のつぶやき

「お盆の季節」

8月も中旬になりましたが、今年も暑い夏になりました。年々暑さは増してきており、場所によっては、最高気温が40度を超える地域もあり、熱中症注意の報道がされるなど外出するのも憚られます。

そのような暑い季節ではありますが、今年も「お盆」の時期を迎えました。

「お盆」といいますと、普段は離れた場所に暮らす家族が一同に集まり、お家のお仏壇やお墓にお参りするというのが昔から日本の伝統行事として培われてきました。

ところで、「お盆」といいますと8月13日から15日の3日間(8月盆の場合)で、ご先祖様をお迎えして、お仏壇やそのそばの棚に御供物を捧げておもてなしをして、最後はお見送りをする時期だと認識されているのではないでしょうか。

「お盆」に於いては、宗派によっていただき方が異なります。私共、真宗のみ教えをいただくものにとっては、お浄土にお生まれになった方々は、仏様となっていつでもどこでも私どもを導き寄り添って下さっているといただいています。ですから、お盆の時だけ戻って来られるといういただき方はいたしません。

真宗におけるお盆とは、ご先祖の方々からいただいた「いのち」の「ありがたさ」や「お念仏」のみ教えに出逢わせていただいた「よろこび」をご先祖様にご縁のある方々が一同に会して、共有する場ではないかと思います。

そして、私達は阿弥陀如来様によって救われていくのであり、今は亡きご先祖様を救われたのも阿弥陀如来様です。ご先祖様を偲ぶ中で、阿弥陀如来様のみ教えに出遇ったならば、ご先祖様が今生の命にかえて伝え残して下さったのは、私自身を救って下さる阿弥陀如来様のみ教えであると、いただくことが出来ます。

そして、その教えに出逢わせて下さったご先祖様のご恩を思う。それが真宗のお盆であります。ですからお盆だからといってこの時期だけ特別なお飾りをしたり御馳走をする必要はないのです。

お盆の時期には、お仏壇やお墓に於いて、「皆様方(ご先祖様)のお導きにより、阿弥陀如来様のみ教えに出逢わせていただき、お念仏を「よろこび」とさせていただくご縁を頂戴する事ができました。ここに集まる者一同、そのご恩に感謝して、これからもお念仏申し上げる日々を過ごしてまいります。」と手をあわせてまいりましょう。

合掌

住職