• お知らせ
  • 掲示板のことば 「自分らしく咲き誇る」 浄土に咲き誇る蓮の花
住職のつぶやき

掲示板のことば 「自分らしく咲き誇る」 浄土に咲き誇る蓮の花

こんにちは。8月になりました。連日の暑さに少々、夏バテ気味になっています。また現在は、パリでオリンピックが開催され、高校野球が地方大会の熱戦を経て、甲子園での本大会を迎えるなどスポーツが盛り上がっています。

前回の「つぶやき」に於いて、この季節が見頃の「蓮の花」についてふれさせて頂きました。「蓮の花」は、仏教の世界に於いてはとても重要であり、尊い花として大切にしています。

『仏説阿弥陀経』というお経の中には、極楽浄土の様子が説かれていて、その中には、大きな蓮の花が咲き誇っている様子が語られています。

その様子は、「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」(しょうしきしょうこう おうしきおうこう しゃくしきしゃっこう びゃくしきびゃっこう)であると説かれています。

つまり、青い花からは青い光が、黄色い花からは黄色い光が、赤い花からは赤い光が、白い花からは白い光が放たれていて、そのいずれも美しく、香りも素晴らしいと説かれています。それは、どの色が優れているとか、この色は劣っているということはなく、どの色も美しく、違う色が邪魔しあうのではなく、お互いの色を輝かせあい、育てあい、照らし合っている様子が語られているのです。

私たちが生きるこの世界では、自分の色のほうが他の色より優れていると考えたり、他の色を認めなかったりします。しかし、お浄土の世界は、「青色は青色のまま 黄色は黄色のまま 赤色は赤色のまま 白色は白色のまま」輝いていける、存在していける世界です。

「あなたはあなたのままで良いのだよ。」 「青色は青色のままで良いのだよ。」「無理に違う色にならなくても良いのだよ。」 「あなたはあなたのままで素晴らしいのだよ。」と、このような事を教えてくれるのが、蓮の花です。

私たちが生きるこの世界では、とかく自分と他の人を比べて、「自分のほうが優れている」「あの人に劣っている」と一喜一憂して、その事に囚われてしまい苦悩します。

そのような苦悩に満ちた世界に身を置いている私達ではありますが、其々の色で其々に美しく咲き誇る蓮の花のように、「自分らしく咲き誇る」生き方をしていく事が大事なのではないでしょうか。

合掌

住職