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住職のつぶやき

掲示板のことば 「実りの秋」みのり(法)と実り

こんにちは。9月も下旬になり、今は秋のお彼岸の季節です。

「暑さ寒さも彼岸まで」といわれますが、ここ数年は暑い時期が9月下旬まで続く傾向にあり、今年もいまだに最高気温は30度を越えています。そのような真夏日和が続く日々ではありますが、暦どおりなら秋を迎える時期を迎えています。

秋といいますと「実りの秋」という言葉があります。また「収穫の秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」など多くの言葉で秋が表現されます。日本は元来、農耕民族であったことから、春に種をまき、夏に暑さの中、汗水を流して作業に励み、その労苦が報われる収穫の時期を迎える喜びの表現として「~の秋」という言葉が表現されてきたのではないでしょうか。

仏教においての「みのり」とは、「法」・・・仏様のみ教えの事をいいます。そして、この法(みのり)に出逢わせて頂く事により、私たちが生きてきた中で収穫できた「実り」というものが、自分ひとりの努力によって得られたものではなく、自分以外の多くの方々のお陰によって頂戴したものだという事に気付かせて頂きます。

秋に成熟した稲穂がまるで有難うとお辞儀をするように下に垂れる姿から、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」ということわざがあります。これは、立派な人ほど謙虚に振る舞うという意味です。しかし、普段、有る事が当たり前だと思っている人にとっては、この稲穂のような頭を垂れるという感覚になる事は中々難しい事ではないでしょうか。

そのような私たちが、「みのり(法)」に出逢わせて頂くことにより、今まで当たり前と思っていた事が実はとても難しい事であり、「ああ そうだったのか」という頷きにかわり、「有り難い」と思えてくるのです。

本格的な「実りの秋」の季節を迎えるにあたり、「みのり(法)」に出逢わせて頂き、その「みのり(法)」に照らされて今までの自分を振り返り、「ああそうだったのかと」心から頷けるような日々を過ごしてまいります。

合掌

住職