「お盆の季節」
2025年8月14日 当山蓮光寺墓地にて
随分と無沙汰しておりました。今年も「お盆」の時期を迎えています。
お寺の墓地や納骨檀などにも多くの皆様がお参りにお越しくださっています。遠方に住まわれていて普段は中々お会いできないお檀家様にもお会いする事ができ、近況報告など色々とお話をお聞かせ頂いたり、とても有り難いご縁を頂いております。
このお盆のお勤めは、8月15日を中心にして行われる仏教徒にとっての一大行事であるというのは皆様もよくご存知だと思います。私共真宗高田派に於いては、歓喜会(かんぎえ)ともいいます。
お盆の由来は、お釈迦様のお説きなった「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」という教えがもととなっていると云われています。その教えでは、お釈迦様のお弟子様であった目連尊者(もくれんそんじゃ)が、亡くなったお母様を餓鬼道(がきどう)という苦しみの世界から救い出すお話が説かれています。
そのお話を通して、他の誰かという事ではなく、私たち自身が仏様のみ教えをお聴きして、お浄土へ生まれさせて頂く「真実のみ教え」に目覚めていくこと。これが、真宗のお盆の本当の意味です。
そして、先にお浄土へと生まれ、尊い仏様となられた亡き方を偲ぶとともに、その方々に導かれて自分自身の日常の生きかたを改めて見つめ直したり、命の尊さや、欲を離れた施しの大切さを考える期間でもあります。
お世話になったご先祖様のために、何かをしてあげたいという気持ちは大切ですが、お盆だからお供えをして、お参りすればそれだけで良いというのではありません。
お盆とは亡き方が私たちに残してくださった仏縁の中で、私たち自身がいのちの喜びをいただく行事であります。
今日、この日、この時を大切に、いのちの喜びを頂いて、『南無阿弥陀仏』とお念仏申す日々を過ごせるよう努めてまいりましょう。
合掌
住職

