行事のご案内

令和7年秋季永代経法会 三日目

三日目の様子

10月10日に秋の永代経法会の三日目(納骨檀追弔法会と合同開催)を開催いたしました。

この日はこれまでの二日とは違い、秋らしい風が吹く涼しい気候での開催となりました。

これまでの二日間と同様、最初に富田周辺の高田派の法中(ほっちゅう…僧侶の方々)にご出勤頂き、『仏説阿弥陀経』をお勤めいたしました。

その後に、二日目と同じ、愛知県西尾市吉良町 浄土真宗本願寺派 教蓮寺様 住職の小野線隆(おのせんりゅう)師にご法話を頂戴しました。

ご講師 小野線隆師

小野師は、親鸞聖人がお詠みになられたご和讃のうち『浄土高僧和讃』(じょうどこうそうわさん)からの一首をご讃題にご法話下さりました。

ご讃題にあげられたご和讃

「煩悩に眼(まなこ)障(さ)えられて 摂取(せっしゅ)の光明(こうみょう)みざれども 大悲(だいひ)ものうきことなくて 常に我が身をを照らすなり」

意訳:煩悩が邪魔をして、私の目を覆い、阿弥陀様様のお救いのお心になかなか気が付くことはできないけれども、阿弥陀様の大悲のお心はやむ事なく、常に私を照らしていてくださる。

このご和讃は、親鸞聖人が正信偈に於いて、「煩悩障眼雖不見 大悲無倦常照我」(ぼんのうしょうけんすいふけん だいひむへんじょうしょうが)と示されているところでもあります。

小野師は、このご和讃で、親鸞聖人が浄土七高僧のおひとりである源信僧都(げんしんそうず)のお言葉をお話下さっている事。その源信僧都のご生涯やこのご和讃において伝え下さっている阿弥陀如来様のお救いのお心などについてご法話下さいました。

いつもながらに、やさしくも穏やかな語り口で、とても分かりやすいお話でした。

私達は、自分の良しあしで物事を判断して、善悪を決めつけてしまう。そして、煩悩に振り回されて正しい教えを正しいと受け止める事ができず、阿弥陀如来様のお救いが見えてこない。そのような私達ではありますが、その事を全てお見通しの上で、阿弥陀如来様は、常に私達を照らしてくださっている。その事に気付いていけるような生き方をしてまいりましょうというお話が、特に心に残りました。

私自身、自分の思い通りにいかない事があった時、「なぜなのか」と憤慨したり、「自分の事を分かってくれない」と僻んだりと色々と周りが見えなくなる事があります。そのような私は、まさに煩悩に翻弄され、それによって苦しんでいる事も分からない状態であり、身につまされる思いでありました。

そのような私でも阿弥陀如来様は、見捨てずにいつでも、どこでも、どんな時でも「あなたの事を受け止めますよ」と迎えて下さっている。そのような阿弥陀如来様の私にかけらえた願いに出会わせてもらう良きご法縁に出会わせて頂く事ができました。

次回のご法要は、12月10日(水)開催の『報恩講』です。是非ともお参り下さい。

合掌

住職