住職のつぶやき

大晦日 除夜の鐘を迎えて

令和6年も早いもので大晦日、12月31日になりました。

本年も元旦、1月1日に能登半島の地震が発生するなど様々な出来事が起こった1年でした。皆様もそれぞれに、良かった事、悲しかった事、辛かった事、様々な事を経験しながらこの一年を過ごされた事と思います。

仏教においては、『諸行無常』という教えがあります。意味はこの世のすべてのものは絶えず変化していて、永遠に変わらないものはないというものです。

私たちは自分にとって都合の良い状況がずっと続いて欲しいと願い生きていますが、いつも良い状態が続くものではなく、自分にとって都合の悪い状況になる時もあります。そのような変化し続ける状況に於いて、一喜一憂しながら過ごしているのが私たちであります。この変化を自然のものだとそのまま受け入れる事ができれば、どんなに心穏やかに過ごしていけるのだろうかと思いますが、その変化に抗おう、抗おうとする為に苦しみが起きるのではないでしょうか。

鐘楼の掃除の様子

私は、先日、檀家の皆様のご協力のもと、除夜の鐘の準備の為に鐘楼(しょうろう・・・鐘つき堂)の掃除を行いました。最初は、あらゆる場所が汚れていて、これを掃除するのは、かなり大変だと気分が滅入っていました。しかし、掃除する事により、それが綺麗になると、とても気分が良くなりました。でも、「また時間が経つと汚れるんだな。このまま綺麗な状態が続いてくれたら良いのにな」と考えてしまいました。

しかし、汚れがまた付く事は自然の流れだからと受け止めて、「この汚れは、それだけこの鐘楼が活躍してくれている証拠だ。」という気持ちになれれば、自分の心も穏やかになるのではないでしょうか。

今年1年、色々と役目を果たして下さり、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。このような想いで鐘楼の掃除をさせて頂きました。

この鐘楼同様に、色々な皆様方に感謝の気持ちと来年も一年間お世話になりますという気持ちをもって、新年をお迎えさせて頂きます。

本日、23時45分より、除夜の鐘つきを行います。皆様、是非ともご参加下さい。

合掌

住職