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住職のつぶやき

「宗祖(親鸞聖人)降誕会」 親鸞聖人のお誕生日

   当山蓮光寺 親鸞聖人坐像

 

こんにちは。5月も半ばを過ぎまして、晴れの日の日中は暑くなってきて、長袖ではなく半袖で過ごしても良い時期になってきました。

さて、5月21日は、私共、真宗高田派の宗祖であります親鸞聖人がご誕生された日です。ご本山専修寺(せんじゅじ)においては5月21日に「開山親鸞聖人降誕会」(かいざんしんらんしょうにんごうたんえ)としてご法要を営みます。また、当山蓮光寺においても地元の高田派のお寺と合同で3年に1回、主催を持ちまわりで開催しています。

親鸞聖人は、今から、約850年ほど前の承安3年(1273年)5月21日(旧暦4月1日)に、現在の京都市伏見区日野西大道町の辺りでお生まれになったと云われています。

聖人がお生まれになった頃は、時代が平安から鎌倉へと移り変わる激動の時期でありました。また、当時の元号は、自然災害や疫病の蔓延、飢饉などの度に改元されていました。そして、聖人の90年の御生涯の間に元号は、実に35回も改元されています。

そのような事で、聖人も幼い頃は「死んだらどうなっていくのか」「いったい私は、何の為に生きていくのか」など色々とお悩みになれたのではないでしょうか。聖人は、9歳で得度(仏門にはいる事)して、比叡山で仏教の勉強に励まれ、29歳の時に山をおりて、法然上人が教えてくださった「南無阿弥陀仏」のお念仏に出逢われました。そして、「南無阿弥陀仏」のお念仏ひとつによって救われていくという道を私たちに示してくださりました。

ところで、この親鸞聖人がお生まれになった事を「誕生」でなく、「降誕」というのは、なぜでしょうか。「誕生」の字の「誕」を辞書で調べると、「生まれる」という意味の他に、「いつわる」「あざむく」という意味が出てきます。

うそ、いつわりだらけの世の中、いいかえると自分の都合の良いものだけを真実として、この世の中を生きている私たちを、阿弥陀如来様は、「煩悩具足」(ぼんのうぐそく)と悲しまれ、真実に生きて欲しいと「私の名前を呼びなさい」と喚んでくださっています。

親鸞聖人は、「この世には、いつわりばかりで真実はない。ただお念仏だけが真実なのだ」と仰っていますが、最初からこのように仰ったのではなく、ご自身がうそ、いつわりだらけの世の中を迷い、悩まれ、生き抜かれた中で、阿弥陀如来様の真実に出逢われたからこそ、このように言えたのではないでしょうか。

親鸞聖人が、阿弥陀如来様の真実であるお念仏を伝えるために、うそ、いつわりの世界であるこの世に降りてきてくださったお陰で、私たちは、真実のみ教え、お念仏に出逢えたのであります。その事を思う時、親鸞聖人への感謝の気持ちが止めどもなく湧いてきて、手を合わさずにはいられなくなります。

「南無阿弥陀仏」

合掌

住職